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ナチュラルアイランドの物語

ナチュラルアイランドの物語Vol.3 『生産者とのつながり』

2025.06.12

ナチュラルアイランドがここへ辿り着くまでに生まれた
たくさんの物語の、ほんの一部をお話しします。

瀬川さんの和ハッカ

■価値ある素材を求めて滝上町へ

〈ナチュラルアイランド〉の誕生は、社員・横岡実が北海道で "奇跡のハーブ"セントジョーンズワートを偶然見つけたことがきっかけでした。その後、真狩村でフローリストとして働いていた齋藤透さんに出会い、セントジョーンズワートの無農薬栽培がスタート。齋藤さんと当社社員が二人三脚で世に送り出したセントジョーンズワートオイルは、ナチュラルアイランドを代表するロングセラーのひとつになっています。

セントジョーンズワートを発見した当時、横岡は旅行会社に勤務していましたが、縁あってナチュラルアイランドに転職。入社後も北海道の価値ある素材を探して、アンテナを張り巡らせていました。
そんな折にたまたまテレビで見かけたのが、滝上町で和ハッカを栽培している瀬川晃一さんでした。

滝上町は国内のハッカ生産の90%以上を占める日本一の産地ですが、現在、和ハッカを作っている農家はわずか5軒しかありません。その中でも世界でただ1軒、和ハッカの希少種「JM-23号」を手掛けているのが晃一さんだったのです。興味を抱いた横岡はすぐに晃一さんのもとを訪れました。

■JM-23号の守り人・瀬川さんとの出会い

北海道はかつて世界シェアの7割を占める和ハッカ名産地でしたが、安価な外国産ハッカや合成ハッカ脳が出回ったことで取引価格が下落。ハッカの生産農家が激減し、研究所や蒸留工場も閉鎖が決まり、北海道のハッカ産業は風前の灯でした。そんな状況の中でも晃一さんは「北海道で和ハッカを育てることに意義がある」という信念を持ち、和ハッカを作り続けていました。
そんな晃一さんにハッカ研究者が託したのが、和ハッカとして最後に品種登録された「JM-23号」だったのです。晃一さんに会いに行った横岡は、その日のことを懐かしそうに語ります。

「晃一さんは大正期に入植した先人の畑を受け継ぎ、農作業の傍ら行商や冬の出稼ぎをしながら戦後の厳しい時代を生き抜いてきた人です。当時の苦労話や武勇伝などを次々に語ってくれましたが、肝心のハッカの話はほとんどしてくれず、気がつくと4時間以上経っていました。内心(これは手強いぞ......)と思いましたが、晃一さんが北海道を心から愛していて、和ハッカを作り続けることに誇りを抱いていることをひしひしと感じました」

晃一さんは「北海道で和ハッカを作ることの価値を共有できる会社でなければ取引しない」と明言しており、その後も横岡は何度も足を運びました。北海道に自生しないと言われていたセントジョーンズワートの無農薬栽培を成功させ、北海道の素材で化粧品製造を目指す会社として、諦めるわけにはいかなかったのです。
そしてついに晃一さんは言ってくれました。

「あんたにだったらハッカ油をちょっと分けてやってもいいよ」

日本で初めてJM-23号を化粧品に使用したナチュラルアイランドの和ハッカシリーズは、ここから始まったのです。

刈り取り中はJM-23号の爽やかな香りが漂います

■世代を超えて継承される和ハッカのバトン

2018年、晃一さんは残念ながら病気のためこの世を去りました。しかしJM-23号をはじめとする和ハッカへ注ぎ続けた情熱は、息子の博さんにしっかりと継承されています。
博さんは幼い頃から農家の苦労を見て育ち、大学卒業後に東京で就職しましたが、晃一さんから頼まれて27歳の時にUターン。機械化が進んで農作業がずいぶん楽になったとはいえ、和ハッカは専用の機械がなく、現在も生育から収穫、蒸留までほぼ手作業で行われています。

「中でもJM-23号はとりわけ繊細な品種で、生育にはとても手間がかかります。それでも父がJM-23号を作り続けたのは、その香りや品質に惚れ込んだからなのでしょうね。現在は貴重な品種としてその価値が見直されつつあり、作り続けてよかったと思います。刈り取り作業の時に立ち上る香りの良さは、一般的な和ハッカとは比べ物になりません。メントールが多く爽やかだけどやわらかい甘さがあって、化粧品に適していると思います」と語る博さん。
その表情は、我が子を慈しむようなやさしさに満ちています。

■絆を結び、ともに夢みる和ハッカの未来

9月中旬〜下旬になると和ハッカの刈り取り作業が始まりますが、他の農作物も収穫期を迎えるため、和ハッカ農家は猫の手も借りたいほどの忙しさになるそう。そこでナチュラルアイランドが収穫のお手伝いを買って出ることにしました。ナチュラルアイランドは化粧品会社ですが、意外にもフォークリフトやトラクターを乗りこなすガテン系も多いんです!作業着に身を包んだ社員が博さんのもとを訪れると「待っていたよー!」とBBQの用意をして迎えてくださることも。
貴重なJM-23号の精油を分けていただく恩返しのつもりですが、「ほんとうに助かっているよ」と言っていただき、うれしい限りです。

2018年、博さんは滝上町内の和ハッカ生産者とともに「滝上町和ハッカ・ラボ」を結成。和ハッカの付加価値向上による生産体制の存続と発展を目指して活動しています。瀬川さん親子と手を携えて歩んできたナチュラルアイランドとしても、和ハッカ製品を通じて滝上町のサステナブルな未来のお役に立てるならば、これほど幸せなことはありません。

機械の操作を瀬川さんに教わる社員

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