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ハッカ油の使い方大全|用途別の分量と注意点・肌への使い方の正解
2026.10.02
ハッカ油の使い方を用途別にまとめました。虫よけスプレー・拭き掃除・においケアの濃度と分量がひと目でわかる早見表に加え、肌に塗らないほうがよい理由や、ポリスチレン容器・ペットのいる空間などのNG、北海道・滝上町の和ハッカ「JM-23号」についてもご紹介します。
「虫よけに買ったハッカ油が、まだ半分以上残っている」「使い方を調べたけれど、サイトごとに分量がバラバラで不安」
そんな声をよくいただきます。
ハッカ油は、ごく少量で足りるほど成分が凝縮された精油です。だからこそ、用途ごとの適量がわからないと瓶がいつまでも減りません。
本記事では、暮らしのなかで使える用途別の使い方と分量、そして用途ごとの注意点を1枚の表にまとめました。あわせて「肌に塗ってよいのか」という疑問にも、はっきりとお答えします。
私たちナチュラルアイランドは、北海道・滝上町で育つ和ハッカを原料に使っています。毎年9月の収穫期には、社員が畑に入って収穫を手伝います。ハッカという植物に毎年向き合う立場から、実際に役立つ使い方をお伝えします。
先にお伝えしておきます。ナチュラルアイランドでは、濃度にかかわらず、ご自身で希釈した精油を肌に使用することはおすすめしていません。本記事でご紹介するのは、肌に触れさせずにハッカの香りを活かす使い方です。
読み終える頃には、以下が明確になっているはずです。
- 用途ごとに、どのくらいの濃度で使えばよいか
- 肌に使わないほうがよい理由と、代わりに選ぶべきもの
- 手元のハッカ油がどの規格のものか
分量を知らないまま使うと、刺激を強く感じたり容器を傷めたりすることがあります。先に適切な濃度を知っておけば、この一本を最後まで安心して使い切れます。
なお記事の後半では、和ハッカという品種そのものについてもご紹介します。ハッカの香りを暮らしに取り入れる方法は、ハッカ油だけではありません。

ハッカ油の使い方一覧|用途別・希釈率早見表
ハッカ油の使い方でつまずく原因は、ほとんどが「濃度」です。用途ごとに適切な濃度が違うため、同じレシピを使い回すとうまくいきません。
本章では以下の3つを解説します。
|
項目 |
概要 |
|
希釈率の考え方 |
濃度を%とmlでどう計算するか |
|
用途別・希釈率早見表 |
4用途の濃度・分量・容器を一覧化 |
|
基本のスプレーの作り方 |
材料・手順・保存期間 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハッカ油の希釈率の考え方|濃度は%とmlで考える
ハッカ油の分量は、「滴(てき)」ではなくmlと%で考えるのが確実です。
1滴あたりの量は、製品によって異なります。ドロッパー(滴下栓)が付いていない製品もありますし、容器の口径や液温によっても1滴の量は変わります。滴数だけを目安にすると、同じ「1滴」でも濃度が大きく変わってしまいます。
濃度の計算そのものは、とてもシンプルです。
- 濃度(%)= ハッカ油のml ÷ 全体のml × 100
- 水100mlにハッカ油1ml → 約1%
- 水100mlにハッカ油0.1ml → 約0.1%
計量には、料理用の計量スプーンやスポイト、目盛り付きの容器を使うと扱いやすくなります。
用途によって適切な濃度が変わる理由は、目的が違うからです。虫を寄せつけないためには、ある程度の濃度が要ります。一方で拭き掃除は、香りが残る程度で十分です。
【保存版】ハッカ油の用途別・希釈率早見表
以下は、家庭で使われることの多い4用途の目安です。いずれも、肌に触れさせない使い方です。
|
用途 |
目安濃度 |
分量の例 |
容器 |
|
虫よけスプレー(網戸・玄関・ベランダ) |
約1% |
精製水90ml+無水エタノール10ml+ハッカ油1ml |
ガラス/PE/PP |
|
拭き掃除 |
約0.05〜0.1% |
水100ml+ハッカ油0.05〜0.1ml |
バケツ・洗面器 |
|
においが気になる場所の芳香 |
約0.2% |
精製水95ml+無水エタノール5ml+ハッカ油0.2ml |
ガラス/PE/PP |
|
玄関・室内の芳香 |
間接的に使う |
コットンにごく少量を含ませる |
皿・小容器 |
上記はあくまで一般的な目安です。製品ごとにメントール含有率が異なるため、まずは薄い濃度から試してください。
いずれの用途でも、ハッカ油を肌や身体に使用することは避けてください。 虫よけについても、吹きかけるのは網戸・玄関まわり・ベランダなど、肌に触れない場所に限ります。
「たくさん入れればうまくいく」は、ハッカ油では通用しません。薄い濃度から試して、物足りなければ少しずつ濃くする。この進め方が、いちばん失敗しません。

基本のハッカ油スプレーの作り方|材料・手順・保存期間
もっとも使用頻度が高いのが、スプレーです。
材料(100ml分)
- ハッカ油 1ml
- 無水エタノール 10ml
- 精製水 90ml
- スプレー容器(ガラス/ポリエチレン/ポリプロピレン製)
作り方
- 容器に無水エタノールを入れる
- ハッカ油を加えて、よく振って混ぜる
- 精製水を加えて、さらに振る
順番が重要です。ハッカ油と水を先に混ぜても、油が分離して浮いてしまいます。
無水エタノールを先に入れるのは、ハッカ油を水になじみやすくするためです。ただし、均一な状態がそのまま続くわけではありません。使用前には毎回よく振ってください。
エタノールがない場合は?
作れないわけではありませんが、使うたびによく振る必要があります。分離した状態で吹きかけると、濃度が一定になりません。掃除など、多少の分離が問題にならない用途であれば、水だけでも実用的です。
保存期間の目安
手作りスプレーには防腐剤が入っていません。そのため、作ってから1〜2週間程度で使い切るのが安心です。直射日光を避け、できれば冷暗所で保管してください。
作りすぎて余らせるより、少量ずつ作るほうが結果的に無駄がありません。
ハッカ油の使い方【暮らし編】虫よけ・掃除・においケアの5つ
ここからは、具体的な使い方を場面別に見ていきます。
本章では以下の5つを解説します。
|
使い方 |
ひとこと要約 |
|
虫よけスプレー |
網戸・玄関・ベランダに。肌や身体には使わない |
|
ゴキブリ・コバエ対策 |
忌避が目的。駆除剤の代わりにはならない |
|
拭き掃除 |
キッチン・水回りに。床材への使用は要注意 |
|
においケア |
靴・車内・玄関まわりに。原液は使わない |
|
通年の使い道 |
夏だけではない。冬にも活躍する |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
虫よけスプレーとして使う|網戸・玄関・ベランダ
もっとも定番の使い方です。
前章の約1%のスプレーを、網戸・玄関まわり・ベランダなどに吹きかけます。虫の侵入経路になりやすい場所を重点的に狙うのがコツです。
吹きかけるのは、肌に触れない場所だけにしてください。 ナチュラルアイランドでは、虫よけを目的とする場合であっても、ご自身で希釈した精油を肌や身体に使用することはおすすめしていません。
また、市販の虫よけ剤と同じようには使えません。ハッカの香りは揮発しやすく、効果の持続を保証するものではありません。香りが弱くなったと感じたら、そのつどかけ直してください。
屋外で長時間過ごす場合や、肌に使う必要がある場合は、人体用として販売されている市販の虫よけ剤を選んでください。「日常的な室内まわりの対策はハッカ油、肌やレジャーは専用品」という考え方をおすすめします。
ひとつ注意したいのが、網戸のサッシや冷蔵庫のトレーです。これらの部材にポリスチレンが使われている場合、変質するおそれがあります。詳しくは「ハッカ油でやってはいけない7つのNG」で解説します。
ゴキブリ・コバエ対策に使う|「忌避」であって「駆除」ではない
ここは正直にお伝えします。
ハッカ油でゴキブリを駆除することはできません。できるのは、香りで寄せつけにくくする「忌避」だけです。
|
忌避 |
駆除 |
|
|
目的 |
近寄らせない |
退治する |
|
ハッカ油 |
期待できる |
できない |
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適した場面 |
侵入経路・予防 |
すでに発生している場合 |
すでに発生している場合は、専用の駆除剤を使ってください。ハッカ油は、その後の再侵入を防ぐ「予防」として使うのが合理的です。
具体的には、シンク下・排水口まわり・玄関のすき間などに定期的に吹きかけます。香りが弱くなったと感じたタイミングで、かけ直してください。
拭き掃除に使う|キッチン・水回り・ゴミ箱
水100mlに対して、ハッカ油0.05〜0.1mlが目安です。洗面器やバケツで薄めるときは、水の量に合わせて分量を調整してください。この濃度で雑巾を絞って拭くだけです。
香りが残るので、掃除の後の空気がすっきりします。キッチンまわり、水回り、ゴミ箱の外側などに向いています。
床材に使う場合は、事前に確認してください。ワックスがけされたフローリングや、樹脂製の床材には注意が必要です。目立たない場所で試してから、全体に使うようにしましょう。
においが気になる場所に使う|靴・車内・玄関まわり
においが気になるところには、0.2%程度の薄いスプレーを使います。
ハッカ油に消臭作用があるわけではありません。すっきりとした香りが広がることで、不快なにおいを感じにくくなる、という使い方です。
靴・下駄箱:脱いだ靴の内側に、軽く1〜2プッシュ。乾かしてから収納すると、こもったにおいが和らぎます。
車内:布シートに軽く吹きかけます。ただしダッシュボードなどの樹脂パーツには、直接かけないでください。
玄関まわり:コットンにごく少量を含ませ、小皿に置きます。素材に直接触れさせないので、床材や建具を傷める心配がありません。
いずれの場合も、原液を直接使うのは避けましょう。香りが強すぎるだけでなく、素材を傷めるおそれがあります。排水口に原液を流したり、ゴミ箱の底に直接落としたりする使い方も、材質によっては変質するおそれがあるため避けてください。
夏以外にも使えるハッカ油の使い道|通年の活用法
ハッカ油は「夏のもの」と思われがちです。しかし実際には、一年を通して使えます。
冬の窓掃除:結露を拭いたあとに、薄めたハッカ油水で仕上げます。においがこもりがちな冬の室内が、すっきりします。
玄関の空気のリセット:コットンにごく少量を含ませて、小皿に置くだけ。香りは数日で薄れるので、そのつど交換します。
衣類の収納:収納ケースの隅に、ハッカ油をごく少量含ませたコットンを置きます。衣類に直接触れないよう、必ず小皿などに載せてください。
なお、加湿器やアロマディフューザーへの使用は、取扱説明書を必ず確認してください。精油の使用を想定していない機器に入れると、故障の原因になります。

ハッカ油を体に塗るのは避けるべき|肌への使い方の正解
「ハッカ油を体に塗ると涼しい」という情報を目にした方も多いと思います。
- ハッカ油の原液を肌に塗ることは避けてください
- ナチュラルアイランドでは、濃度にかかわらず、ご自身で希釈した精油を肌に使用することはおすすめしていません
- 肌に涼やかさを求めるなら、化粧品として設計された製品を使うのが確実です
本章では以下の3つを解説します。
- 原液を塗ってはいけない理由
- 肌に触れさせずにハッカの香りを楽しむ方法
- 使用を避けるべき人・部位
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハッカ油の原液を肌に塗ってはいけない理由
ハッカ油は、植物から成分を抽出して凝縮した液体です。そのまま肌にのせると、刺激が強すぎます。
これは業界の共通認識でもあります。公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)のAEAJ表示基準適合精油認定制度では、認定精油に表示する使用上の注意の第1項目として「原液を皮膚につけないでください。」を挙げています。
メーカー側も同様です。健栄製薬は、ハッカ油の製品情報の使用上の注意に「原液をそのまま皮ふに使用しないで下さい。」と記載しています。
私たちナチュラルアイランドも、自社のエッセンシャルオイル 和ハッカブレンドの商品ページに「エッセンシャルオイルは大変凝縮された純度の高いオイルです。飲んだり、肌につけることは決してしないでください」「本品は香りを楽しむものであり、スキンケアオイルや飲み物ではありません」と明記しています。精油は香りを楽しむためのものであり、スキンケア用ではありません。
「薄めれば塗ってよい」とは考えていません
ここが、多くの記事があいまいにしている部分です。
薄めれば、刺激そのものは下がります。AEAJも、希釈したうえでの皮膚への使用法自体は紹介しています。
そのうえで、ナチュラルアイランドでは、濃度にかかわらず、ご自身で希釈した精油を肌に使用することはおすすめしていません。 ご家庭で薄めた液体は化粧品ではなく、肌にのせる前提での安定性や安全性の検証を経ていないためです。
肌に直接使うことを考えているなら、化粧品として設計された製品をご使用ください。これがもっとも確実で、遠回りに見えて近道です。
肌に触れさせずにハッカの香りを楽しむ方法
肌に塗らずにハッカの香りを取り入れる方法もあります。
寝具・タオルに香りづけする
コットンにごく少量を含ませて、枕元に置きます。または洗面器の水にごく少量を入れ、そこでタオルをすすいで絞ります。
室内に香らせる
精油に対応したディフューザーを使うか、コットンにごく少量を含ませて小皿に置きます。
いずれも、肌に触れる濃度がごく薄くなるため、比較的取り入れやすい方法です。香りを楽しむための使い方であり、肌のためのケアではない点は変わりません。
ハッカ油の使用を避けるべき人・部位
AEAJは精油の安全な使い方について、明確な目安を示しています。
子どもへの使用
3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴法以外は行わないようにするとされています。3歳以上の子どもでも、使用量は大人の10分の1程度から始めるのが目安です。多くても大人の2分の1程度にとどめてください。
妊娠中の方
妊娠時は体調に配慮し、芳香浴法以外のアロマテラピーを楽しむ場合は十分に注意することとされています。不安がある場合は、担当医に相談してください。
その他、避けたほうがよいケース
- 肌が敏感な方、アレルギー体質の方
- 呼吸器に持病のある方
- 目のまわり、鼻や口の粘膜
- 傷や炎症のある部分
くり返しになりますが、ナチュラルアイランドではハッカ油を肌に使うことはおすすめしていません。誤って肌についてしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。違和感が続くときは、医師に相談しましょう。

ハッカ油の効能とされる働きを正しく理解する
「ハッカ油の効能」で検索する方は多くいます。ここでは、なぜあの清涼感が生まれるのかという仕組みを解説します。
本章では以下の3つを解説します。
- 清涼感の正体はメントール
- 日本でハッカがどう使われてきたか
- 「効能」という言葉に注意が必要な理由
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハッカ油の清涼感の正体はl-メントール
ハッカ油の主成分は、l-メントールという物質です。
このメントールが、私たちに「冷たい」と感じさせています。仕組みはすでに科学的に解明されています。
自然科学研究機構 生理学研究所の温度生物学研究グループがまとめた「温度生物学ハンドブック」では、TRPM8は「非侵害性の冷刺激(23-26℃以下)によって活性化」すると記載され、あわせて「ハッカ油の主成分であるメントールの受容体として同定」されたことが示されています。つまりメントールは、冷たさを受け取るセンサーを、温度以外の方法で活性化させているわけです。
ここが最も重要なポイントです。
メントールの作用そのものによって、体の深部の温度が下がるわけではありません。
センサーが反応して、冷たいという信号が脳に届いているだけです。
一方で、皮膚の表面温度は分けて考える必要があります。皮膚の表面に水やエタノールなどの液体が付着すると、それが蒸発するときの気化熱によって、皮膚の表面温度が一時的に下がることはあります。ただしこれは、体の深部まで冷えたことを意味しません。
したがって、ハッカ油は熱中症対策にはなりません。涼しく感じることで、かえって暑さへの警戒がゆるむ可能性すらあります。
夏場は、水分補給とエアコンによる温度管理を優先してください。ハッカ油は、あくまで気分をすっきりさせる香りとして使うものです。
ハッカは日本でどう使われてきたか
日本におけるハッカの歴史は、決して浅くありません。とくに北海道は、かつて世界的なハッカの産地でした。
この歴史的な背景については、別記事で詳しく解説しています。

▶ ハッカとは?特徴・効果・使い方を北海道の和ハッカから解説
本記事では、実際の使い方に焦点を絞ってお伝えします。
「効能」という言葉に注意|規格によって使える範囲が変わる
意外に知られていないことがあります。
同じ「ハッカ油」でも、製品によって適合する規格や用途の表示が違います。
原料メーカーである鈴木薄荷の製品情報では、ハッカ油の適合規格として「日本薬局方」「医薬部外品原料規格」「ハッカ香料(食品衛生法)」が挙げられています。1つの製品が複数の規格に適合していることもあります。「薬局方か、食品添加物か、雑貨か」という三択で分けられるものではありません。
大まかな整理としては、以下のようになります。
|
表示 |
何を示しているか |
主な入手先 |
|
日本薬局方 |
医薬品の原料としての基準を満たしていること |
薬局 |
|
食品添加物 |
食品添加物としての基準を満たしていること |
薬局・ドラッグストア |
|
規格の表示なし(雑貨・アロマ用) |
上記の基準への適合を表示していないこと |
雑貨店・アロマ専門店 |
これらは排他的な区分ではありません。同じ製品が複数に該当する場合があることを、あわせて覚えておいてください。
メントールの含有率にも、規格ごとの下限があります。山善製薬が公開する食品添加物ハッカ油の製品情報では、組成が「本品1ml中、ハッカ油1ml(メントールとして30.0%以上)を含有する」と記載されています。
なぜこれを知っておくべきか
インターネット上には、規格を無視した使い方の情報も流れています。ラベルに書かれた表示が、その製品で想定されている使い方の範囲を示しています。
まずは手元の瓶のラベルを確認してみてください。そこに何が書かれているかで、できることの範囲が変わります。
「効能」という表現そのものへの注意
ハッカ油について「〇〇に効く」という表現を見かけることがあります。しかし医薬品でない製品について効能をうたうことは、法律上認められていません。
香りとしてすっきりする、清涼感がある。この範囲で楽しむのが、正しい向き合い方です。
ハッカ油でやってはいけない7つのNG
ここまで使い方を見てきました。最後に、避けるべき使い方をまとめます。
本章で解説する7つは以下のとおりです。
|
NG |
ひとことで言うと |
|
1. 原液を肌に塗る |
刺激が強すぎる |
|
2. ポリスチレン容器に入れる |
容器が変質する |
|
3. 猫のいる空間で使う |
人とは代謝の特性が異なる |
|
4. 自己判断で飲用・うがいに使う |
精油の飲用はすすめられていない |
|
5. 火気のそばで使う・保管する |
引火のおそれがある |
|
6. 作り置きを長期間使う |
品質が劣化する |
|
7. 機器に直接入れる |
故障の原因になる |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
NG1:原液を肌に塗る
「ハッカ油を体に塗るのは避けるべき」の章で解説したとおりです。原液はもちろん、ご自身で希釈したものについても、肌への使用はおすすめしていません。
NG2:ポリスチレン製の容器に入れる・吹きかける
これは意外な落とし穴です。
ハッカ油には、ポリスチレンを溶かす性質があります。健栄製薬のコラム「万能だからこそ知っておこう|ハッカ油を安全に使うためのルール」でも、ポリスチレン(PS表記)を避けてポリプロピレン(PP)・ポリエチレン(PE)・ポリエチレンテレフタレート(PET)を選ぶこと、確認できないときはガラス製を選ぶことが案内されています。
|
材質 |
表記 |
可否 |
|
ガラス |
- |
◎ もっとも安心 |
|
ポリプロピレン |
PP |
○ |
|
ポリエチレン |
PE |
○ |
|
PET |
PET |
○ |
|
ポリスチレン |
PS |
✕ 避ける |
容器の底やラベルに、材質の略号が印字されています。100円ショップのスプレー容器を使う場合は、購入前に確認してください。
さらに注意したいのが、吹きかける対象です。同じコラムでは、網戸などのサッシや冷蔵庫のトレーがポリスチレン製のときには使用しないよう案内されています。これらに直接スプレーすると、表面が変質するおそれがあります。
NG3:猫のいる空間で使う
猫を飼っている方は、とくに注意してください。
猫は、人や犬とは物質を代謝する特性が異なります。そのため、精油の成分が体にとって有害となる可能性があると考えられています。
さらに猫は毛づくろいをします。空気中に漂った成分が被毛に付着すると、それを舐めとってしまいます。
獣医学のリファレンスであるMerck Veterinary Manual「Toxicoses from Essential Oils in Animals」でも、猫は精油の代謝に関わる酵素の働きが人や犬と異なることが示されています。またAEAJの記事「アロマスプレーの作り方|保存方法や注意点も紹介」には、「ペットのいる空間での使用は避けましょう。」と記載されています。
「香らせるだけなら大丈夫」とは言い切れません。ペットと暮らしている場合は、精油の使用そのものを見送ることをおすすめします。
心配なことがあれば、かかりつけの獣医師に相談してください。
NG4:自己判断で飲用・うがいに使う
「ハッカ油は飲める」という情報を見かけることがあります。ここは、製品によって分けて考える必要があります。
アロマテラピー用の精油については、AEAJが「精油の安全な使い方」のなかで、希釈したものであっても精油を飲むこと、ほかの食品と一緒に摂取すること、うがいに使うことをすすめていません。自己判断で口に入れる使い方は避けてください。
一方で、「食品添加物」と表示されたハッカ油には、紅茶やリキュールの香りづけなど、食品での用途を想定した製品もあります。食品として使う場合は、その製品に書かれた用途と用法・用量に従ってください。
整理すると、次のようになります。
- アロマテラピー用の精油:自己判断での飲用・うがいはしない
- 「食品添加物」と表示された製品:表示されている用途と用法・用量の範囲で使う
「ハッカ油はすべて口に入れられない」とも、「表示があるから自由に飲める」とも言えません。手元の製品の表示を確認することが大切です。
NG5:火気のそばで使う・保管する
ここは誤解されやすい部分なので、正確にお伝えします。
ハッカ油をはじめとする精油には、引火性があります。手作りスプレーに加える無水エタノールも、常温で引火します。どちらか一方だけが危険なわけではありません。
AEAJも、精油の取り扱いについて「火気を扱う場所では注意する」よう案内しています(精油の安全な使い方)。
ハッカ油・精油・無水エタノールは、いずれも火気の近くで使用・保管しないでください。コンロの火を消してから使う。仏壇のろうそくやアロマキャンドルの近くでは噴霧しない。この2点を守ってください。
NG6:作り置きを長期間使い続ける
手作りスプレーに防腐剤は入っていません。夏場であれば、1〜2週間を目安に使い切ってください。
にごりや異臭を感じたら、その時点で処分します。もったいなく感じても、使い続けるメリットはありません。
NG7:加湿器・エアコンに直接入れる
精油の使用を想定していない機器に入れると、内部の樹脂部品を傷めます。故障だけでなく、保証の対象外になることもあります。
香りを部屋に広げたい場合は、精油対応のディフューザーを使ってください。コットンにごく少量を含ませて置くだけでも、十分に香ります。
和ハッカと洋種ミントの違い|ハッカ油の選び方
「ハッカ油」と一口に言っても、原料となる植物は同じではありません。ここは、あまり語られていない部分です。
本章では以下の3つを解説します。
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項目 |
概要 |
|
和種と洋種の違い |
別の植物であり、成分が異なる |
|
幻の和ハッカ「JM-23号」 |
世界で一軒の農家だけが育てる品種 |
|
選び方の3ポイント |
規格・原料・容器を見る |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
和種ハッカと洋種ペパーミントは別の植物
まず押さえておきたい前提があります。
和種ハッカとペパーミントは、別の植物です。
|
和種ハッカ |
ペパーミント |
|
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学名 |
Mentha arvensis var. piperascens |
Mentha × piperita |
|
メントール含有率 |
高い傾向 |
和種より低い傾向 |
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香りの印象 |
シャープで直線的 |
やや甘さがある |
原料メーカーの鈴木薄荷は、日本薬局方に適合するハッカ油について、原料植物を「ハッカ Mentha arvensis Linné var. piperascens Malinvaud(Labiatae)の地上部」と明記しています。
一般に、和種ハッカのほうがメントールを多く含むとされます。そのため、清涼感がより鋭く感じられます。
一方のペパーミントは、メントール以外の成分の比率が高くなります。その結果、和種よりも丸みのある香りに感じられることが多いようです。

どちらが優れているという話ではありません。求める香りの質が違う、ということです。
幻の和ハッカ「JM-23号」|北海道・滝上町の一軒の農家から
ここからは、私たちナチュラルアイランドの話をさせてください。
私たちが使っている和ハッカは、「JM-23号」という品種です(品種登録上の名称は「北海JM23号」です)。この品種は、世界でも北海道・滝上町の瀬川さんという農家一軒でしか育てられていません。そのため「幻の和ハッカ」と呼ばれています。

瀬川さんによれば、JM-23号の葉は他の和ハッカよりも繊細だそうです。生育には手間がかかり、栽培を続ける農家がほとんど残りませんでした。
それでも夏になると、畑には葉が青々と茂ります。手にとって香りをかぐと、他のハッカとは違うやわらかい清涼感があります。
9月、社員が畑に入ります
毎年の収穫期には、ナチュラルアイランドの社員も滝上町へ向かいます。瀬川さんの作業を手伝うためです。

農作業に慣れていないスタッフにとっては、骨の折れる仕事です。それでも現地に行くのは、この原料が製品の起点だと考えているからです。
さらに、スキンケア工園「ナチュの森」内にある「自然と科学のミュージアム 森の工舎」には蒸留器があります。ここで倶多楽湖の湧水を使い、手作業でJM-23号を蒸留しています。
畑から蒸留まで、自分たちの手で見届けた原料です。私たちが和ハッカにこだわる理由は、ここにあります。
ハッカ油を選ぶときに見るべき3つのポイント
これからハッカ油を選ぶ方に、3つの確認ポイントをお伝えします。
① 規格の表示を見る
「日本薬局方」「食品添加物」などの表示があるか。これによって、想定されている使い方の範囲が変わります。複数の規格が併記されていることもあります。
② 原料植物の表示を見る
和種か洋種か。学名が書かれていれば、より確実です。
③ 容器を見る
遮光性のあるガラス瓶が理想です。精油は光と熱で劣化します。
安さだけで選ぶと、香りの質に納得できないことがあります。まずは小容量から試して、自分の好みを確かめてみてください。
ハッカ油の保存方法と使い切るコツ
「買ったけれど使い切れない」という声を、本当によくいただきます。最後に、その解決策をお伝えします。
本章では以下の2つを解説します。
- 開封後の保存方法と使用期限
- 残ったハッカ油を使い切るアイデア
それぞれ詳しく見ていきましょう。
開封後の保存方法と使用期限の目安
ハッカ油は、光・熱・空気で劣化します。
保存の3原則
- 直射日光の当たらない場所に置く
- 高温になる場所を避ける
- フタをしっかり閉める
冷蔵庫での保管も可能です。ただし出し入れのたびに結露するため、常温の冷暗所のほうが扱いやすいでしょう。
使用期限の目安
未開封であれば、製品に記載された期限に従ってください。開封後は、1年以内を目安に使い切るのが理想です。
香りや性状に変化を感じた場合は、使用を中止してください。用途を変えて使い続けることはおすすめしません。
残ったハッカ油を使い切る3つのアイデア
瓶を減らすには、日常の動線に組み込むのがいちばんです。
① 掃除の水に必ず入れる習慣にする
拭き掃除のたびに、ごく少量。毎回のことなので、少しずつ確実に減っていきます。
② 玄関にコットンを常設する
小皿にコットンを置き、数日おきにごく少量を足します。帰宅時の空気が変わるので、続けやすい方法です。
③ 掃除用のスプレーを1本常備する
0.2%程度のスプレーを作って、キッチンや玄関に置いておきます。気づいたときに使えるので、出番が増えます。作り置きは1〜2週間で使い切ってください。
「特別なときに使う」と考えると、瓶はいつまでも減りません。毎日の家事のどこかに組み込むのが、結局いちばん確実です。
ハッカ油の使い方に関するよくある質問
ハッカ油の使い方に関するよくある質問をまとめました。
ハッカ油は飲めますか?
アロマテラピー用の精油は、自己判断で飲んだり、うがいに使ったりしないでください。AEAJは、希釈したものであっても精油を飲むこと、うがいに使うことをすすめていません。一方、「食品添加物」と表示された製品には、紅茶やリキュールの香りづけなど食品での用途を想定したものもあります。その場合は、製品に書かれた用途と用法・用量に従ってください。
子どもに使っても大丈夫ですか?
3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴法以外は行わないようにするとされています。3歳以上でも、大人の10分の1程度の量から始めてください。不安がある場合は、小児科医に相談しましょう。
ペットがいても使えますか?
ペットがいる空間での使用は避けてください。AEAJは犬と猫を区別せず、「ペットのいる空間での使用は避けましょう。」と案内しています。不安がある場合は、かかりつけの獣医師に相談してください。
無水エタノールなしでもスプレーは作れますか?
作れますが、使うたびによく振る必要があります。分離した状態では濃度が一定になりません。掃除など、多少の分離が問題にならない用途であれば実用的です。
服にかかるとシミになりますか?
ハッカ油自体は無色ですが、油分です。デリケートな素材にかかると、輪ジミになることがあります。衣類に直接かけるのは避け、収納時はコットン経由で香らせてください。
香りはどれくらい持続しますか?
ハッカの香りは揮発しやすく、持続時間は濃度・場所・季節によって変わります。市販の虫よけ剤のような持続性を保証するものではありません。香りが弱くなったと感じたら、そのつどかけ直すことを前提に考えてください。
まとめ|ハッカ油は用途と注意点を押さえれば怖くない
ハッカ油は、用途ごとの使い方と注意点さえ押さえれば、暮らしのなかで無理なく使い切れます。
この記事の要点
- 分量は滴数ではなく、%とmlで考える
- 用途ごとの濃度は「【保存版】ハッカ油の用途別・希釈率早見表」を参照
- ハッカ油は肌や身体には使わない。ご自身で希釈したものも同様
- メントールの作用そのもので、体の深部の温度が下がるわけではない
- ポリスチレン容器・ペットのいる空間・自己判断での飲用はNG
- 和種と洋種は別の植物。香りの質が違う
今日の掃除から、水にごく少量入れてみてください。それだけで、この一本は確実に減っていきます。
肌に涼やかさを求める方へ
記事の中でお伝えしたとおり、ナチュラルアイランドでは、精油を肌に使うことはおすすめしていません。けれど「夏の肌にすっきり感がほしい」という気持ちは、私たちもよくわかります。
ナチュラルアイランドの「和ハッカのすっきりシリーズ」は、幻の和ハッカ「JM-23号」を使ったヘアケア・ボディケアです。スキンケア工園「ナチュの森」内の「森の工舎」にある蒸留器で、倶多楽湖の湧水を使い手作業で蒸留した和ハッカウォーターを配合しています。
化粧品として設計されているので、肌や髪にそのままお使いいただけます。

香りそのものを楽しみたい方には、精油もご用意しています。


