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ハッカ/北海道のハーブ
「ハッカ」ってどんな植物?特徴や効果について
2023.06.26
キャンディなどのお菓子、デザートやお料理のアクセントにも使われる、日本でも身近なハーブ「ハッカ」。リフレッシュアロマとしては有名ですが、近年では自然由来の防虫剤としても注目を集めています。 こちらでは、ハッカの特徴や効果をご紹介していきます。
◆ハッカとは
日本でも馴染みが深いハッカは、シソ科ハッカ属の植物。
ハッカと言えばだれもが思い出すことが出来るくらい、生活に根付いているハーブと言えるでしょう。
日本では缶ドロップをはじめ、夏に人気のチョコミントフレーバーのお菓子や、シャンプーなどの化粧品にと、幅広いアイテムに用いられています。
◆ハッカの特徴
ハッカは、日当たりがよく少し湿った場所を好みます。
品種によって特徴はいろいろありますが、葉をこすると多かれ少なかれ清涼感のある香りが漂うハーブ。
ハッカの多くは毎年芽吹く多年草 で、寒さにも強く繁殖力交配力も高い植物です。
「根こそぎ抜いたと思ったのに、翌年も生えてきた!」
家庭菜園などを行ったことがある方は、こんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
交雑しやすく非常にたくさんの種類があるため 、とらえ方によって分類がとても難しい。 現在では、交雑種などを合わせ40種類ほどに分類されているようですが、中には、別名の別名...というように、数百もの異名を持つ種もあるようです。
◆ハッカとミントの違いとは?
ここまで、"ハッカ"と通して使ってきましたが、「ミントとは何が違うの?」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下の表を一度ご覧ください(左→右に向かって、細かく分類されます)。
シソ科 |
ハッカ属 =ミント =ハッカ |
■和ハッカ(別名:クールミント、和種ハッカ) =ハッカ ■ペパーミント(別名:西洋ハッカ) ■スペアミント(別名:緑ハッカ、オランダハッカ) ■...... ■...... ...他多数種(40種ほど) |
シソ属 | 青じそ、赤じそ など | |
ラベンダー属 | ラベンダー など | |
マンネロウ属 | ローズマリー など | |
...他多数 |
シソ科には、シソ属、ラベンダー属、マンネロウ属など、様々な属性があり 、その内のひとつがハッカ属。
先にもありましたが、そのハッカ属の中には、原種、交配種などを合わせ、40種ほどに分類されているようです。
ですが、食品や香料に使われる代表的な種は、主に3つ。それが、和ハッカ、ペパーミント、スペアミントです。
和ハッカは、昔から日本で栽培されている品種。ペパーミントやスペアミントは、江戸時代以降に輸入されたとされるハッカ です。
上記の表にハイライトで示したように、シソ科ハッカ属の総称を「ミント」と言います。
また、「ハッカ」には、代表的には2つの意味があるようです。
一つは、シソ科ハッカ属の総称を「ミント」=その和名が「ハッカ」です。
もう一つは、「ハッカ」=和ハッカを表します。
つまり、ハッカとミントは、使われ方によっては同じ意味ともなるし、ミントというカテゴリーの中のハッカ(和ハッカ)ともとらえられます。
(この記事では「ハッカ」を、シソ科ハッカ属の総称として使用しております)
現在調べた限りでは、代表的には以上のことが分かりましたが、和ハッカを「ハッカ」と呼ぶのに比較して、ペパーミントやスペアミントをまとめて「ミント」と表現するなど、人によって様々なとらえ方があるようなので、ご使用の際は都度ご注意ください。
◆なぜスーッとするの?
ハッカの葉をこすると漂う清涼感は、どこからきているのでしょう。
それは、「L-メントール」や「L-カルボン」という成分に由来 しています。
どちらも清涼感を演出する成分ですが、その爽やかさの種類に違いがあります。
メントールは、キリッと鋭く刺激的。
カルボンは、やわらかで甘みも感じられ、刺激も少なめです 。
これを踏まえて、先ほどご紹介した、代表的な3つのハッカの特徴をみていきましょう。
スペアミント | ペパーミント | 和ハッカ | |
代表的な 別名 |
緑ハッカ、オランダハッカ | 西洋ハッカ | クールミント |
主体成分 | L-カルボン | L-メントール、メントフラン | L-メントール |
特徴 | おだやかな清涼感、甘みや青臭さも スペアは槍の意味(とがった葉の形から) |
ウォーターミントとスペアミントの交配種 スーッとした清涼感、少し甘みもある |
メントール含有量が高く、キリッと強い清涼感がある |
代表的な 使用用途 |
料理、カクテル、ハーブティー | ガム、ハーブティー、歯磨き粉、虫よけ | ガム、ハーブティー、歯磨き粉、虫よけ |
ここで分かるように、L-カルボンが主体のスペアミントに対して、ペパーミントはL-メントールとメントフラン、和ハッカはL-メントールが主体。
その中でも和ハッカは、メントール含有量が一番多く、その量はペパーミントの2倍以上と言われています。
同じハッカという植物の清涼感でも、私たちが思う以上に違いがあります。
◆ハッカの歴史
ハッカは、ギリシャやローマ、エジプトなどで古代から使用されてきたことが文献などから知られています 。
日本へいつ伝来したのかは諸説あるようですが、日本既存最古の本草薬名辞典 「本草和名」にてハッカの記述を確認できることから、平安時代には和ハッカが存在していたと考えられます。
江戸時代には岡山で本格的な栽培が始まり、広島や山形を経て、明治以降北海道でも栽培されるようになりました 。
ハッカ栽培に適した土地であった北海道北見地方では 、明治後期、土地の開拓が進むとともに栽培が盛んとなり 、一時は世界最大のハッカ産地に。
しかし、諸外国の世界市場進出や安価な合成メントールの普及などにより、北海道のハッカ産業は徐々に衰退していきました。
◆消えてしまうかもしれなかった、幻の和ハッカ
衰退する和ハッカ産業の中で、その種を絶やさぬように4世代に渡り生産を続けている農家「瀬川さん」がいます。
北海道ハッカ産業の最盛期、品種改良が盛んに行われていたハッカ研究所も、輸入ハッカや合成メントールの登場により徐々に衰退していきました。
その研究所もとうとう閉鎖となる際、最後の方に開発されていたのが「JM-23号」という名の和ハッカです。
既出の通り、和ハッカはメントールが多く含まれており、そのスーッとした清涼感を活かしながらも、香り高く品種改良したのがこの品種です。
瀬川さんは他の和ハッカも育てていらっしゃいますが、JM-23号を収穫するときは、香りに明らかな違いがあるとおっしゃいます。
それは、クールで爽やかながら、ほのかな甘みさえ感じる香り高さをも兼ね備えた香り。
研究所が閉鎖になっても、ハッカ農家の数が減っても作り続けたいと思うほど、魅力的な和ハッカがここにあります。
稀にしか作られていない、消えてしまうかもしれなかった、幻の和ハッカ「JM-23号」は、天然アロマの虫よけミストをはじめ、私たちが心からおすすめする製品を支えてくれる、欠かせないハーブです。
◆天然のハッカを楽しむ
天然アロマは自然由来ゆえ安定供給が難しく、年によって多少の香りの差も否めません。
しかし、だからこそ自然で繊細な香りが楽しめるのです。
いつも同じではないからこそ心惹かれる、その単調ではない奥深い香りが、自然に触れた時のような心地よさに繋がるのではないでしょうか。
私たちがオススメしたいのは、嗅覚を通して心に訴えかけるような、自然の香りを楽しむことです。
和ハッカの天然アロマを使用したナチュラルアイランド製品には、アロマバスエッセンス、虫よけミスト、ヘアケアシリーズなどがあります。
製品それぞれの用途が違っても、ただ一つ変わらないのは、そこに上品な自然の香りがあること。
メントール由来の清々しい清涼感ながら、ツンとしすぎない、そして、やさしい甘ささえ感じる香り豊かな和ハッカ「JM-23号」は、奥ゆかしさを求める日本人の好みに合った香りです。
私たちの事務所でも、デスク上で和ハッカのエッセンシャルオイルを香らせて、リラックスするスタッフが沢山います。
メリハリのある生活を目指すとき、自分でオンオフを切り替えるのは中々に難しい。
自然の植物には様々な香りがありますが、和ハッカがもたらす上品で清々しい香りは、程よい刺激で余裕がない心に無理なく隙間を空けてくれる、そんな存在です。
和ハッカがもたらすリフレッシュの世界を、一度体験してみてはいかがでしょうか。
ナチュラルアイランドの公式YouTubeチャンネルでは、北海道滝上町で生産されている幻の和ハッカ「JM-23号」についてもご紹介しています。あわせてご覧ください。
YouTube:【北海道のハーブ】幻の和ハッカ畑