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白樺
「白樺」ってどんな植物?特徴や効果について
2023.04.20
北海道などでよく見られる、美しく白い樹木「白樺」。 最近はその樹液などが美容効果が高いことでも注目されています。 では、白樺という植物にはどのような特徴や効果があるのでしょうか?
◆白樺とは
白樺はカバノキ科カバノキ属の落葉樹で、フィンランドの国樹としても有名です。
「シラカバ」と読まれることが多いですが、正しくは「シラカンバ」。漢字の通り、「白い樹皮のカバの木」という意味があります。
日本では、信州や北海道などで多く見られ 、札幌近郊の都市、小樽市や千歳市などでは市の木として指定されています。
真っ白な幹が高原を明るく爽やかな印象にしてくれることから、「高原の白い貴公子」と呼ばれることも。春の新緑や秋の紅葉も美しく、その見た目から住宅地や公園に植えられることも多い樹木です。
◆白樺の特徴
白樺は、別名をカバノキ、カバと呼ばれ、最近では、英語名の"Japanese white birch "からホワイトバーチと呼ばれることもあります。
アイヌ語では「レタッタッニ」="白い樺皮のとれる木"。
日陰や暑さが苦手で、明るい場所を好み、育つと高さ20mほどまで成長します。寿命は70~80年程度と樹木の中では短いですが、その分早く土に還り土壌を豊かにすることに一役買っています 。
美しい幹の印象が強いため、白樺の花や葉についてご存じの方は少ないかもしれません。白樺には雄花、雌花の2種の花があり、雄花は黄褐色で3~5cm程度の棒状、雌花は2cm程度の長さで緑色の実を枝の上に作ります。どちらも花びらがなく、一見すると"花"と認識しにくい見た目です。
また、葉は少し丸みを帯びた三角形に近い形で、ギザギザとした縁が特徴的。
私たちの身近で見かけるとすれば、近年大流行のサウナ、とくにフィンランド式のサウナ室で、ドライフラワーのように吊り下げられた"ヴィヒタ "と呼ばれる木の束。香りを楽しんだり、火照った身体を叩くことで血行促進を促すためなどに使われるこの束の、代表的な材料が白樺の枝葉です。
ー 白い樹は白樺だけじゃない!よく似た「ダケカンバ」と「シラカバ・ジャクモンティー」 ー
幹が白い樹木は、白樺だけではございません。中でも白樺とよく似ているものは、「ダケカンバ」と「シラカバ・ジャクモンティー」の2種。
ダケカンバは、白樺同様カバノキ科カバノキ属で、白樺と同じような地域に生息します。その特徴は、生えている場所によって形状を変えること。寒さや風が厳しい山岳地帯では枝や幹が曲がり高さもありませんが、平地になると幹や枝はまっすぐ高く伸びます。もっとも簡単に白樺と見分ける方法は枝の色。枝が幹と同じように白いとダケカンバ、枝が黒いと白樺です。
一方、シラカバ・ジャクモンティーも白樺同様カバノキ科カバノキ属ですが、こちらは園芸用に作られた品種。白樺は成長して幹が太くなってから樹皮が白くなるのに対して、こちらは若木のうちに白くなります。8mくらいの樹高で比較的温暖な場所でも育つので、全国広い地域で栽培が可能 。
白い樹々を見かけた際には、こんな違いに注目してみるのも面白いかもしれません。
◆1年で2週間程度しか採取できない、貴重な自然の恵み「白樺樹液」
美容や健康に効果を期待されている白樺ですが、特に注目されているのが樹液です。
実は、その樹液を採取できるのは、1年365日の中でも雪解け時期のたった2週間程度 。樹木に開けた2cmほどの穴から滴り落ちる樹液を採取しますが、開葉・開花し始めると葉や花から水分が蒸発し始め、樹液の溢出にまで水分がまわらなくなります 。
採取できる量は、直径20~30cm位の樹から多いもので1シーズン100~200リットル。 樹木が花を咲かせるために必要な栄養がグッと詰まったこの「命の水」は、その豊富な養分ゆえバクテリアの増殖をも促してしまいます。 したがって、この貴重な樹液の栄養素を保つためには、豊富な雪で作られた天然の冷蔵庫が必須。
そのため白樺樹液は、雪解けの時期にしか採取できない、本当に貴重な"自然の恵み"なのです。
◆「化粧品・食品・インテリアに」様々な用途で活躍する白樺
白樺樹液の中には豊富な糖類やアミノ酸、ミネラル、キシランなどが含まれています。これらは、肌にうるおいベールをもたらす保湿効果や美白作用、肌の弾力を高めターンオーバーを促すなどと言われ、美肌成分として注目されています。
また、白樺の樹皮にふれると白い粉が付きますが、これは抗菌作用のあるベチュリンによるもの 。樹皮や葉には、他にもタンニン、サポニン、フラボノイドなどが含まれ、白樺は樹液以外にも美肌効果が期待できる成分が豊富です。
"ナチュラルな美容がお好み"という方に是非お試しいただきたい、優しいスキンケアアイテムがつくられています。
さらに、既出した含有成分の一つであるキシランは、ガムなどで馴染みのあるキシリトールの原料。ご存じの通り虫歯予防に効果があるとされ、世界中で食品や飲料など様々な場面で活躍しています。
また、白樺の木材はその柔軟性を活かして、民芸品やインテリア、爪楊枝やアイスのスプーンなどに。
見た目の美しさに注目されがちな白樺ですが、実は幅広い用途で活用されている樹木なのです。
◆「白樺樹液」を暮らしに取り入れる
白樺樹液が利用されてきた歴史は古く、世界ではフィンランドやロシア、中国、韓国 などで、日本列島ではアイヌの人々に 、健康飲料として愛されてきました。
また、日本では企業の長年の研究を経て、無添加天然状態での樹液の商品化にも成功しています。
白樺の樹液はほんのり甘くそのままでも美味しくお飲みいただけますが、他の飲み物にお使いいただく方法もおすすめ。とくに、コーヒーやウイスキーの水割りが人気で、雑味を感じにくく、白樺樹液のやさしい甘みが味わいを一層引き立てます。
もっとたくさん樹液が手に入るようであれば、料理に用いても◎。お鍋やスープはもちろんのこと、お米を炊くと栗ごはんのような旨味のある味わいになるとのお声も。
普段の食事や料理において水の代わりとして代用できる白樺樹液は、自然の栄養を美味しく取り入れられる嬉しいアイテムです。
◆山の神に感謝していただく、自然の恵み
古くから世界中で愛され、私たちの美容や健康、暮らしの中で活躍してきた白樺。その美しい見た目以上の魅力に、お気づきいただけましたでしょうか。
特別豪雪地帯にも指定される雪深い北海道美深町には 、数千本以上の白樺が生い茂ります。そこで開催される「美深白樺樹液春まつり」では、アイヌ民族の伝統儀式「カムイノミ」を行い、樹液をいただくことに山の神へ感謝を示します 。
技術が進化し、より簡単に自然の恵みを手に入れられるようになった今、その貴重さを忘れてしまいそうになりませんか。
私たちの製品にも、白樺樹液の魅力を最大限に活かした高保水ミストローションがございます。これも"白樺からの恵み"がなければ、作ることができません。樹液に限らず、樹皮や木材も、すべては大自然からのお裾分けなのです。
自分の体質や暮らしに合った食事や製品との出会いは、本当に貴重です。穏やかに自然のエネルギーを与えてくれる白樺との出会いが、皆さまの暮らしを豊かにするきっかけになるかもしれません。
ナチュラルアイランドの公式YouTubeチャンネルでは、北海道で雪解けの時季だけ採取できる、貴重な白樺樹液についてもご紹介しています。
あわせてご覧ください。
YouTube:【北海道のハーブ】早春の二週間だけの白樺樹液